第36回隊友ふれあいウォーキング実施報告  

 「渋谷川に沿う台地上を歩く(広尾から金王八幡を経て表参道へ)をテーマに、会員20名(夫婦4組、女性8名)の参加を得て、9月24日(土)予定通り実施しました。 

 祥雲寺は、江戸初期元和9年に没した筑前黒田藩の藩祖黒田長政を供養する為、嗣子忠之が建立した臨済宗の古刹で、墓地には、黒田家の墓所、筑後久留米藩有馬家等十余の大名家の墓が並ぶ他、幕府の御典医で歌舞伎「与話情浮名横櫛」の舞台となった「玄冶店」の大家で知られる岡本玄冶の墓が在ります。

  
               黒田長政の墓                                  岡本玄冶の墓

 次に向った山種美術館は、日本画専門の美術館で公益財団法人山種美術財団により管理運営されており、長期間の展示に弱い日本画を管理し、定期的に企画展を開催するとともに、日本各地に所蔵作品の移転展示を行っています。 
所蔵作品としては、6件の重要文化財と速水御舟、川合玉堂、奥村土牛のコレクションをメインに、多くの近代日本画を所蔵しています。

 塙保己一記念文化資料館は、江戸末期の盲目の国学者塙保己一が、41年の歳月をかけて編纂した「群書類従」と、その版木が保管展示されています。
塙保己一は、武蔵野国児玉郡金谷村に生まれ、5歳で失明し15歳の時、江戸に出て雨富検校須賀一に鍼術を、24歳で賀茂真淵に国学を学び 寛政5年には、江戸麹町に和学講談所を設立、晩年には総検校となり家号を温古堂と称しました。

  
              祥雲寺を後に山種美術館へ                       塙保己一記念文化資料館

 白根記念郷土博物館は、元は昌平坂学問所で学んだ江戸後期の儒者松崎慊堂の屋敷跡で「石経山房」と称したが、今は郷土博物館・文学館として、渋谷の歴史文化財・文学を展示しています。 
又、庭園には、珍しい中国産の「しろ松」が有り、芭蕉の句碑が建っています。

 国学院大学の広い敷地の一角に国学院大学博物館が在りますが、当博物館の目的は、長い伝統を持つ日本文化の精神性「心」を「物」から明らかにし、多くの人に知ってもらう事で、この目的に沿って三つの部門とコンセプトで国学院大学が蓄積した資料と研究成果を公開しています。

 国学院大学博物館の膨大な展示資料を見学の後、氷川神社の境内に在る金王相撲跡を経て、今回のウォーキングのメインテーマである金王八幡神社(渋谷城跡)を訪ねました。

 金王八幡神社は、平安中期の寛治6年、源義家の陸奥平定に従った渋谷氏の祖、河崎基家が渋谷城の守護神として、城内に創建した社で、金王八幡の名は基家の子、渋谷平三郎家重が、八幡宮に祈願して授かったと云う渋谷金王丸(重国)に由来すると云われています。
 神社の境内には、源頼朝が父義朝に仕えた渋谷金王丸(重国)の忠節を偲び、鎌倉亀が谷の館から移植したと伝わる一つの枝に八重と一重の花が咲くと云う珍しい桜があります。

 渋谷城は、中世の豪族渋谷氏の開祖で秩父平氏の流れを汲む河崎土佐守基家が、後三年の役で、源義家の陸奥平定に従い、その戦功により築いた城と云われています。
 渋谷城は、その後の大永4年(1524)後北条氏の関東攻略に当り、北条氏綱と扇谷上杉朝興が、「高縄原の合戦」で膠着状態になった際、後北条氏の別働隊が渋谷方面から迂回し上杉軍の退路を遮断したため、上杉軍は江戸城に後退しましたが、その際、渋谷城は、この別働隊の攻撃を受け焼き払われたと云われています。 
尚、金王八幡の石段を登ると本堂の手前右手に城砦の石片が史跡として残っていますが、当時の城は一般的に、豊島氏の石神井城等にも見られるように、石垣は城の一部分であり、城の主要部の殆どが、土塀木柵等であったろうと思われます。

  
              金王八幡神社鳥居                                金王八幡神社本殿

 金王八幡を見学し終えたところで、雨が降り出し、青山学院資料センターの見学を取止め、昼食会の会場である和食レストラン「はながこい」に向い、会食・懇談の後、解散しました。

                                          平成28年10月20日
                                          武蔵野の史跡を巡る会 世話人  道面 康紀


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